1.はじめに
4月に通常と異なる2種類のタンポポについて取り上げた。セイヨウタンポポでない、日本タンポポを育ててみたいが、その結果、街の中の二ホンタンポポが荒らされるのにつながるのが少し嫌な気分であり、こういったものは種から育ててみたい。ところで、タンポポには白・ピンクの他、変わった品種で緑がある。こちらは珍しい品種のため、購入するしかないのだが、そもそも種が売っていないのは綴化(てっか、せっか)は植物の成長点に突然変異が起こり、扇状に広がるように成長する現象で多肉植物などでよく見られるが、タンポポのこの品種はこれに該当し、花が退化し花粉や種ができないため、根による株分けしか方法がない。タンポポのように地下に一方向にのびる品種はさらにその増やし方が難しいと考えられる。今回、この花の開花と構造を確認した。種子はないとは予想されるも綴化としているのは、メルカリにおける販売者にて♀としての機能胚珠に成長する部分がないのか、♂としての花粉の製造機能がないのか、両方がないのか気になるところである。♀はないと考えられるが、♂機能があれば他花に受粉させ、新種を生み出せばよいことになる。
桃色蒲公英の開花と西洋蒲公英、ノゲシの授粉試験結果 - NEW PLANTS EXPERIMENTS
シロバナタンポポの開花 - NEW PLANTS EXPERIMENTS
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2.実験方法
を楽天市場にて購入した。これを屋外のSeria観葉植物の土に植え付け2-3日に一回程度の水やりを実行した。花が咲いた後、念のためシロバナタンポポと受粉作業し、花を分解し、胚珠、花粉を顕微鏡探索した。
3.実験結果
Fig.1に緑花タンポポを示す。花上がりをしているため、これが開花状態と想定され、ちちれ毛状の花びらが集まって花を構成している。Fig.2に花拡大図を示す。花の表面はカールしているようである。念のため、シロバナタンポポと授粉作業を実施した。緑花の花粉はないように思えるが、シロバナタンポポの花粉は多く、毬藻の花表面に付着した。
Fig.4に毬藻花托の分解を示す。花びらが密集しているが、他のたんぽぽと異なり付け根に胚珠構造が存在しないと思われる。
Fig.5,6に先端部分は10μm程度の太さであるが透明、花粉のような粒状のものの付着はないだろうか、よくわからない。カーブはしているが、他のタンポポで見られるY字状の雌しべは確認できない。
根本部まで確認したが、種子に対応する部分はないように思えた。
4.考察
緑化タンポポの構造を確認したが、花の雌しべ、雄しべの構造がないように見え、独特の構造をしていた。綿毛構造などが、劣化と共に発生するかなどを確認したいと思う。希少なタンポポであるため、今後も大切に育てたいと思う。